比較サイトの注意点

比較サイトは本当の比較ではない
 
平成25年4月現在、Googleで「学生ローン」というキーワードで検索すると、1位に表示されるのが学生ローン比較サイトです。
ところで、「比較サイト」って何でしょう?
学生ローン以外にも、キャッシング比較・消費者金融比較・レンタルサーバー比較・生命保険比較・・・etc・・・と無数にあります。
これらのサイトは、一目瞭然で簡単に比較ができるというウリ文句で意外と需要が多いのですが、実は本当の比較ではないのです。
 
アフェリエイトプログラムとは?
アフェリエイトプログラムとは、アフェリエイト運営会社(インターネット広告会社のようなもの)が、広告主である企業を募集します。
消費者金融会社A社がこれに参加し、広告主としてアフェリエイト運営会社に登録します。
次に、消費者金融比較サイトを個人で運営するB君が、アフェリエイト運営会社と契約し、消費者金融会社A社のホームページにリンクを貼ります。
そこへ、インターネットで消費者金融を探しているC君が、Bの消費者金融比較サイトを見て、消費者金融A社に申し込みをしたとします。
ここでA社はB君に対して謝礼金を支払う事になりますが、謝礼金(報酬)は直接B君に支払われるのではなく、いったんアフェリエイト運営会社に支払われます。
アフェリエイト運営会社は手数料を差し引き、残りをB君に支払います。
この一連の流れが、アフェリエイトプログラムというものです。
 
比較サイトの問題点
比較サイトの問題点は、不特定多数の人間が運営している点と、本当の意味での比較ではない点にあります。
企業として運営されているものや、完全に個人で運営されているものまで様々です。
個人で運営するものの大半は、法律を全く知らずに運営されているものがほとんどです。
学生ローン比較で言うと貸金業法になりますが、貸金業法では広告の規制や表現方法、個人情報の管理等、様々な規定を設けています。
仮にC君はB君が運営するWebサイトから申し込みをした場合、その個人情報の扱いはどうなるのでしょうか?
前述のように、比較サイト運営者は不特定多数です。
個人情報をそのまま個人がいったん預かり、その情報を貸金業者に渡すケースもあります。
もちろん、個人情報は一切預からず、申し込みなどは直接貸金業者の申し込みページに誘導されるちゃんとしたものもあります。
後者は安全ですが、前者は危険を伴います。
広告の規制で1つ例を挙げると、比較サイトなどでは「審査が甘い」「ブラックでもOK」「タバコ1箱の半分の利息」などの文言を見かけますが、これらは貸金業法上NGとなります。
比較サイトは運営者のモラルも求められるところですが、なにせ不特定多数の為、モラルを無視した比較サイトが星の数ほどあるのが現状です。
 
比較サイトは本当の比較ではない。
比較サイトは先に説明したように、アフェリエイトプログラムに参加している広告主しか取り扱いません。
非参加の企業を紹介してもお金にならないからです。
非参加企業の中にもっと安い商品を提供しているものがあっても、比較サイト訪問者はそれを知る術はないのです。
つまり、本当の意味での比較ではなく、単なるウリウリサイトなのです。
しかも個人情報の取り扱いに不安が残る、個人運営が非情に多いのです。
 
一括申し込みは特に危険
キャッシング比較などで、たまに「一括申し込み」というものを見かけます。
利用者にとっては、一回の入力で一度に数社申し込めるのですから、一見便利なように思えます。
ところが、これが一番危ないのです。
「一括申し込み」という事は、申込者の個人情報を、その比較サイト運営者が一度預かるという事になります。その情報を、各消費者金融に流す仕組みです。
ここでもう一つ重要な問題が発生します。
その比較サイトで紹介されている消費者金融が、まともでない場合が多いのです。
まともな消費者金融であったとしても、それはそれで別の問題が生じます。
まともでない = ヤミ金ですので、説明はいらないと思います。
では、まともな消費者金融だった場合、どのような問題があるのかですが、仮にC君がこの一括申し込みを利用したとしましょう。この時の消費者金融は5社とします。
この5社は、比較サイト運営者から、C君から申し込みがあった事を、個人情報とともに受け取ります。
そして、この5社はC君の信用情報を照会します。
するとどうなるでしょう?
C君は1日で5社も申し込みをした事になり、その履歴が信用情報上に残ります。
タイミングが悪ければ、C君は借りる事が難しくなるでしょう。
タイミングというのは、C君が最初にコンタクトをとったのが、信用情報を最初に照会した会社か、それとも最後に照会された会社かです。
最後の会社からすれば、すでに4社申し込みをしている事実がわかってしまうので、まず貸さないでしょう。
運が悪いと全て断られる可能性すらあります。
するとC君は6社目に申し込みをするでしょう。
しかし、同じ理由で断られます。
これは極端な例かもしれませんが、こうした事例が数多く発生しているのも事実です。
比較サイトを利用する際は、十分注意した方が良いと思います。